家の断熱がしっかりできていると、いつでもどの部屋でも快適に過ごせる家になります。
特に、間仕切りをしなくて良くなるので広々と空間が取れ、暮らしがガラッと変わります。
冷暖房の効率も上がるので電気代の節約にもなり、そうしたエネルギー効率の良い家には、税制面や資金の補助があるなど、良いことばかりといえます。
暑さ寒さは目に見えないから気にしていないかもしれませんね。でも、とても大切なんですよ。まずは寒さの原因からご紹介していきます。
寒いのは間取りのせい?いいえ、断熱できていないからです。
空気はとても「熱しやすく冷めやすい」ので、窓や壁が断熱できていないと外気の冷たい温度が伝わり、室内の暖かい温度は外に伝わって出ていきます。
熱が逃げるのはここから!
部屋の暖かさが逃げるのは開口部(窓)から48%で、躯体(外壁19%、床10%、屋根6%)、換気で17%となっています。
あなたのお宅ではどこから寒さを感じるか、チェックしてみてくださいね。
開口部(窓)から48%
外壁19%
床10%、屋根6%
断熱リフォームでそんなに変わる?
家がどのくらい断熱されているかは、見た目でわからない部分です。しかし、家の快適さや省エネ性能は見た目以上に大切だと思いませんか?
断熱されていないと
寒い&暑い
寒さや暑さがダイレクトに伝わってくるので、室内でも熱中症になるなど快適とは程遠い状態に。
余計なコストがかかる
エアコンの効きが悪い=冷暖房光熱が悪いので、電気代が余計にかかってしまいます。断熱リフォームをして電気代が10~20%減ることも珍しくありません。
建物の寿命が短くなる
断熱をしていないと室内と室外の温度差により建物内部に「結露」が発生、柱などの内部構造を傷め、建物の劣化を早めます。
住む人の健康に悪影響がある
結露があることでカビやダニが発生、ぜんそくなどを引き起こします。また、暖房している部屋としていない部屋とで大きな温度差ができるので、心筋梗塞や脳卒中などの発症リスクが高くなります。
断熱リフォームによるメリット
▼二重サッシ工事を行った際の一例です。
夏涼しく、冬暖かい快適な生活が送れる
家は家族がたくさんの時間を過ごす場所です。快適さが当たり前であってほしいですよね。
電気代が浮くだけでなく、補助金など優遇される
冷暖房効率が良くなると電気代が安くなるのはもちろん、省エネルギー基準を満たす家にするためのリフォーム費用には補助金がでたり、税金面やリフォームローンで優遇されたりします。何故優遇されるかというと、国が省エネルギー化に取り組んでおり、一般住宅で消費されるエネルギーを減らす狙いがあるからです。
建物の寿命が延びる
結露なく、建物の劣化が少なければ、建物の寿命が延び将来のメンテナンス費用も低く抑えられます。
性能の良い家は資産価値が高い
「優良住宅ストック」といって、性能の高い中古住宅の資産価値を正当に評価する機運が高まっています。
断熱リフォームの費用は?
代表的な断熱リフォームの費用をご紹介します。リフォームの内容は下の「断熱リフォームにはどんなものがある?」をご覧ください。
平米単価で表示しましたが、平米単価は施工の面積が広いと安くなり、狭いと高くなる傾向にあります。
窓の断熱リフォーム | 内窓の取り付け | 約5万円~/一窓 |
---|---|---|
サッシごと窓を交換する | 約10万円~/一窓 | |
壁の断熱 | 外壁の外張り | 約1万円~/㎡ |
室内側断熱 | 約4千円~~/㎡ | |
断熱材充填 | 約4千円~~/㎡ | |
天井・屋根の断熱 | 天井裏への断熱材追加 | 約4千円~~/㎡ |
屋根の断熱化 | 約5千円~/㎡ | |
床下断熱 | 床を剥がす場合 | 約8千円~/㎡ |
床下から断熱材をはる | 約5千円~/㎡ |
※ほとんどの場合、上記のほか取り合い部の工事費用等が別途発生します。
断熱リフォームにはどんなものがある?
いろいろな断熱リフォームについて、特徴やメリットとデメリットをご紹介します。
窓の断熱リフォーム
内窓(インナーサッシ)の取り付け
今ある窓の内側に、もう一つ新しい窓サッシを取り付けます。取り壊しや足場が不要で、養生も最低限で済むので、とにかく早く効果を得たいときにおすすめです。
- メリット
- 内側から取り付けるだけなので工事が簡単で、工期も短くて済む。
- 二重になるので防音性も高くなる。
- 同じく窓が二重になることで防犯性も高くなる。
- 障子風の内窓もあるので、障子の必要がなくなる。
- デメリット
- 内窓、外窓両方を開閉する必要があるので、窓の開閉が面倒。
- 内窓と外窓の間に結露する場合がある。
- 窓が二重になるので掃除が面倒。
- カーテンやブラインドの取り換えが必要な場合がある。
断熱性の高い窓への交換
今ある窓を取り外して、断熱性の高い新しい窓に取り換えます。サッシごと交換する場合と、既存のサッシを残して窓を追加する、ガラスだけ交換するなどがあります。
- メリット
- 二重サッシと違い、窓を内・外両方開けたり掃除したりしなくて済む。
- 二重サッシと違い、部屋の内側に干渉しない。
- 工法によっては二重サッシと同じくらい工事が簡単。
- 結露ができにくくなる。
- 窓の種類(カラーやガラスの種類)が選べてデザインの変更ができる。
- デメリット
- サッシごと外す場合は内壁と外壁の補修が必要になり、工事の規模が大きくなる。
- 既存のサッシを残す場合、窓の開口部が一回り小さくなる。
壁の断熱リフォーム
壁を壁の断熱リフォームは、壁のどこを断熱化するかで3パターンに分かれます。
壁の外側で断熱(外張り断熱)
外壁の上から新しく断熱素材を追加する断熱を外張り断熱といいます。外壁も一緒に直したい場合や、壁の中の結露(内部結露)の対策をしたい場合におすすめです。
- メリット
- 壁の外から構造をすっぽり包むので、気密性が高い。
- 内部結露しにくくなるので家が長持ちする。
- デメリット
- 壁が重くなり、地震の影響を受けやすくなる。
- 比較的コスト、工期ががかかる。
- 家の外側が厚くなるので、敷地等に制限がある場合は注意が必要。
壁の内側で断熱(内断熱)
外張り断熱の逆で、室内側から断熱します。特に工期やコストを抑えて断熱性だけ改善したい場合におすすめ。
- メリット
- 室内側からの施工なので、雪があったり雨が降ったりしていても施工できる。
- 足場を組む必要がないので工期とコストが低く抑えられる。
- デメリット
- 部屋の壁に断熱材をつけるので、部屋が少し(1㎝~2㎝)狭くなる。
外壁と内壁の内側に充填する(充填断熱)
外壁と内壁の内側に入っている柱や梁の間に断熱材を入れます。
- メリット
- 外壁と内壁の中に断熱材を入れるので、見た目に響かない。
- デメリット
- 壁の中にある設備(コンセントボックスや配線、筋交いなど)が邪魔になって施工しにくい。
- 充填できない箇所がある。
- 一旦壁を剥がすのでコストと工期がかかりがち。
天井の断熱リフォーム
家の断熱性に与える影響は窓や壁よりも低いと言えますが、もしリフォームする際には、ついでに断熱化も検討することをおすすめします。壁と同じように、家の内側=天井の断熱と、家の外側=屋根での断熱の二通りあります。
屋根を断熱する
屋根の断熱には、断熱塗料の塗布、屋根材の交換、屋根材の追加などがあります。
- メリット
- 屋根裏を活用(屋根裏収納など)できる。
- デメリット
- 工法によっては屋根が重くなる
- 断熱効果は天井断熱のほうが高い。
天井を断熱する
天井と屋根の間の空間に断熱材を入れます。
- メリット
- 断熱効果が高い。
- 屋根を断熱するよりコストを抑えられる。
- 天候に関係なく施工できる。
- デメリット
- 天井裏に断熱材を入れるので、天井裏空間を活用できない。
- 天井裏の条件によっては施工できないので調査が必要。
床の断熱リフォーム
床を剥がして断熱材を入れる
床を剥がして断熱材を敷き、床を張りなおします。床材も交換したい場合などにおすすめです。
- メリット
- 確実に断熱材を入れ込むことができる。
- デメリット
- 床の張り替えが必要になるのでコストと工期がかかる。
床下から断熱材を入れる
床材を剥がさず、床下に作業員が入り断熱材を入れ込みます。床を剥がさないので、養生をする必要もなく住みながら工事をすることができ、工期とコストを抑えられます。
- メリット
- 施工中も室内に影響がないので、住みながら施工できる。
- 床を剥がさないのでコストが抑えられる。
- デメリット
- 床下に入っている構造が邪魔で断熱材の敷き込みが難しい。
断熱リフォームの前に寒さの原因を徹底的に調べます
家族がたくさんの時間を過ごす家は、「快適なのが当たり前」であってほしいですね。寒さの厳しい新潟では特に寒さ対策が重要です。
「うちが寒いから見てくれる?」のお声があれば、ゆい工房が無料調査します。
どんな人が調査に来るの?
断熱工事の研修を受けており、施工実績もある現場のプロ(2級建築士、施工管理技士)が調査にうかがいます。
断熱リフォームの前に現状をしっかりチェック
まずはお客様から築年数などを聞き取りしたうえで、床下や天井点検口に入らせていただき、普段見えない箇所もしっかりチェックします。
家全体・築年数から断熱性を推測
経験を積んだプロは家の外側の様子や築年数から、大体の工法や内部構造の予測をし、重点的に見るべき箇所のあたりをつけます。
天井裏から断熱をチェック
天井点検口から断熱材が入っているか、断熱材はどのような状態か、取合い部の状態や外部への隙間がないか調べます。
床下に入って断熱をチェック
床下から目視して断熱材は入っているか、床に隙間やたわみはないかをよく見ます。湿気の状態も点検。
断熱されているかサーモグラフィーで測定
サーモグラフィーで表面温度を測ります。
温度が数値でわかるので、壁の中などの見えない箇所の状態も推測することができます。
現在の様子を細かく聞き取り
普段の様子から寒さの原因を推測します。また、お客様がどこに寒さを感じているのか、他に気になる箇所はないか、寒さ対策以外でのリフォームのご希望もしっかりと聞き取ります。
「断熱リフォームをする」で終わらず、「断熱リフォームした結果、お客様が満足」することが私たちの目指すところだからです。
例えばこんなことをお聞きします▼
- どこからどんなふうに寒さを感じますか?
- 結露はどんな状態ですか?
- 築年数は何年で、今までリフォームや外壁改修工事をしましたか?
- 予算はどのくらいでお考えで、資金面で気になっていることはありますか?
- 寒さ以外に気になっている箇所はありますか?
断熱リフォームのために、なんでそんなに詳しく調べるの?
リフォームの場合、必ず「今ある建物」を壊すか、新たに手を加えることになりますから、何をするにも現状の確認が非常に大切です。
さらに、どうしたらお客様の希望を叶えられるか?今の建物の状態に大きく左右されるので、現状をしっかり把握する必要があるのです。
原因がわからないと効果的な断熱リフォームはできません
「広々とした家にしたい!」がお客様の一番大きなご希望なら、まずは寒さを解決しないと満足いくリフォームには絶対なりません。
お客様の希望を叶えて満足いくリフォームにするために、寒さの原因を正確に突き止めて、それに基づいたリフォームプランを立てるのです。
無駄な断熱リフォーム工事はこうして起こる
「家が寒い!そういえば外壁もなんとなく傷んできたかも…」と気になっていたH様。
「断熱性のある素材で外張りしてほしい」と、外壁の外張り工事を依頼しました。見た目もきれいになって満足していたのですが…
次の冬も家が寒いままで、窓には結露がびっしりとつくようになってしまいました。
ゆい工房で点検したところ、H様邸のリビングの広い掃き出し窓が、断熱性のない単板ガラスのままであることが判明。そこから冷気が伝わるのが、H様の家の寒さの大きな原因だったのです。
外壁の外張り工事に断熱効果がないのではなく、外壁施工業者がいい加減な工事をしたというわけでもありません。
その家の寒さの原因を特定しないままなんとなくで依頼したから、一番気になっていた寒さの対策ができない工事をしてしまったのです。
お宅にピッタリで効果的な断熱リフォームを一緒に考えましょう!
断熱といっても色々あることがわかっていただけたかと思いますが、いろいろな情報がありすぎると、どれがいいのかわからなくなってしまいますね。
断熱リフォームは、原因の把握と正しく施工されていることが大切
正しく施工されれば、どれも断熱効果は発揮してくれます。現状と希望に合った断熱工事を選ぶことが大切です。
それぞれに特徴がありますが、それがメリットとなるかデメリットとなるかは、断熱以外の希望やほかの施工箇所との兼ね合い次第。「お悩み×希望×現状×予算」のバランスで考えましょう。
ゆい工房では、地元新潟での長年の経験に照らして、施工箇所の状態やお悩み、ほかのご希望を聞いて総合的に考えてご提案することができます。お宅にピッタリで効果的な断熱リフォームを一緒に考えましょう!
ゆい工房 佐藤 勝
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