リフォームコラム
窓ってどう違うの?断熱窓の違いについて
窓リノベの大型補助金が始まりましたが、窓の断熱等級が区別され、断熱性能が高いものほど優遇されていますね。
では窓の断熱性能はどこで違いが出るのでしょうか?
窓の違いは用途に合わせて多岐にわたりますが、ここでは断熱を目的とした窓の違いをご紹介します。
サッシ(枠)の種類
窓サッシとは、ガラスのフレームと窓を嵌め込むための枠の部分のこと。
サッシの素材にはアルミ製、樹脂製、木製があり、それぞれ断熱性能が違います。
アルミサッシ
軽く丈夫で劣化しにくいので、非常にたくさん使われています。一昔前までのお家はみんなアルミサッシですよね。見たまんまアルミの銀色のタイプや、塗装した茶色のものなどがあります。
アルミはとても熱伝導率が高いです。イコール、外の温度をそのまま家の中に伝えてしまうということ。
安価で劣化に強い半面、断熱性は低く結露し易いのがデメリットです。
樹脂サッシ
塩化ビニル製の樹脂を成形したもので、色やデザインが豊富です。木目模様のものや、焦げ茶、白などの色が多いです。
住宅の断熱性能向上のために、ここ10数年で一気に普及してきました。
強度や耐久性はアルミサッシより劣りますが、アルミと違って温度を伝えにくいため断熱性が高く、結露も抑えられます。
アルミ・樹脂複合サッシ
屋外側には耐久性と強度に優れたアルミ、屋内側には断熱性の高い樹脂を組み合わせたものが「アルミ樹脂複合サッシ」です。
断熱性能はアルミより高いですが、樹脂よりは低いです。
価格を抑えつつ断熱性も担保したい場合は、価格と性能のバランスが良いといえるでしょう。
木製サッシ
近頃はほとんど見かけることがない木製のサッシですが、デザイン性が高く根強い需要があります。
アルミや樹脂製と違って大量生産するものではないので、小さなメーカーさんがこだわった商品づくりをしています。
他では出せない雰囲気があり、断熱性も樹脂より高いのがメリットですが、木製なので耐久性と防火性能は劣ります。
劣化を防ぐための塗装などのメンテナンスも含め、他のサッシよりも費用と手間がかかるのもデメリットです。
サッシの断熱性
サッシの素材による断熱性は木製が最も高く、アルミ製が低くなっています。
現在最も使用されているのは樹脂製と複合製サッシです。生産コストや施工のしやすさ、耐久性など機能のバランスが良いからです。
断熱性 | 素材 |
高 ↓ 低 | 木製 |
樹脂 | |
樹脂アルミ複合 | |
アルミ |
ガラス枚数
一見わかりにくいですが、1枚の窓にガラスが1枚とは限りません。ガラスが2枚・3枚入った窓もあるのです。
単板ガラス
窓枠にガラスが一枚入っている、いわゆる1枚ガラス。少し古い建物だと当たり前に設置されていますが、断熱性が低いので最近の新築住宅ではほぼ使われません。
複層ガラス
1枚の窓にガラスが2枚嵌っています。「ペアガラス」とも呼びます。ガラスの間に層があるので1枚ガラスよりも断熱性が高くなります。
トリプルガラス
1枚の窓にガラスが3枚入っています。ガラス2枚で構成される複層ガラスよりもさらに断熱性が高いです。
断熱性 | 種類 | ガラス枚数 |
高 ↓ 低 | トリプルガラス | 3枚 |
複層ガラス | 2枚 | |
単板ガラス | 1枚 |
ガラスが2枚以上のものは断熱、防音性能が高くメリットが大きいですが、例えば外側の1枚ヒビが入ったらそこだけ入れ替えるということができません。
2枚とも交換になってしまいますので、万が一割れたときには修理費用が単板ガラスよりも高くなるデメリットがあります。
ガラスの加工の違い
断熱性を高めるために、表面に特殊な加工をしてあるガラスもあります。
Low-Eガラス
複層ガラスの内側にLow-E(Low Emissivity=低放射率)膜という特殊な金属膜でコーティングしたものです。
太陽の熱を取り込んで逃がしにくい「断熱タイプ」と、太陽の熱を遮る「遮熱タイプ」があり、窓の方向や目的によって使い分けます。
Low-E断熱タイプ
複層ガラスの室内側ガラスの中空層側にLow-E膜でコーティングがされたもの。
外の熱を取り込んで逃がしにくいので、新潟のような寒い地域や日の当たりにくい方向の窓に設置します。
Low-E遮熱タイプ
複層ガラスの屋外側ガラスの中空層側にLow-Eコーティングがされたもの。太陽の熱を遮り室内が暑くなりすぎるのを防ぎます。
西日が入る西側や夏の暑さが気になる窓に使います。
ガラスの間の充填物
複層ガラスのガラスとガラスの間の「中空層」には何も入っていないように見えますが、断熱性を高めるために特殊なガスが充填されているものもあります。
乾燥した空気
空気はとても断熱性が高いので、ガラスとガラスの間に空気の層があると断熱性が良くなります。普通の空気だと結露のおそれがあるため「乾燥した空気」が入っています。
アルゴンガス・クリプトンガス
アルゴンやクリプトンは普通の空気の中にも混じっている気体。空気よりも熱を伝えにくく高い断熱効果があります。その分、中空層に空気が充填されたものよりも価格は上がります。
パッキンの劣化や経年でガスが抜けるデメリットもあります。30年の性能担保を謳っていますが、メーカー保証は10年です。
スペーサー
複層ガラスのガラスとガラスの間に中空層を作るための部品。アルミ製と樹脂製があります。
アルミスペーサー
アルミ製なので熱伝導率が高く断熱効果は低めです。費用は樹脂製よりも若干低くなります。
樹脂スペーサー
熱伝導率はアルミの1000分の1と断熱性が高いです。価格は少し高くなりますが、小さな部品なのでそんなに大きく変わりません。
窓の違いまとめ
窓一枚とっても色々ありますが、目的と予算に合わせてちょうど良いものを選べるよう把握しておかれると良いでしょう。
ゆい工房ではお悩みをしっかり把握し、費用対効果と満足度の高いリフォームになるようお客様と一緒に考えます。
リフォームを検討する際にはどうぞお気軽にご相談ください。
窓リフォームに補助金が出ます
窓など住宅の開口部の断熱性能をあげるためのリフォームに補助金が出る「先進的窓リノベ事業(国交省)」が始まりました。
家の窓がアルミサッシの方は特にメリットが大きいですので、この機会にご検討をおすすめします。