リフォームコラム
生活の中で結露を防ぐには
寒~い新潟の冬、暖房し始めると窓にはびっしり水滴… いつの間にかサッシや木枠にカビが、ということも少なくありません。
冬になるとしている普通の生活が、実は結露しやすい環境を作っています。
冬場の嫌な室内結露
結露で起きる弊害と対策
室内結露があると、その水気によって窓まわりが傷んでしまう他、様々な弊害があります。
カビ・ダニの発生
サッシや枠に黒いものが点々と・・・黒カビです。
私たちにとって快適な25℃くらいの温度はカビにとっても快適です。そこに結露で湿気が加われば、窓サッシでも枠でも壁紙でもカビが繁殖します。
カビの胞子、ダニの死骸がアレルゲンになることはよく知られています。
結露によるカビへ対応
カビがあれば繁殖のために胞子を飛ばしますから、見つけ次第すぐに掃除してください。掃除の際も胞子が飛び散りますので、窓を開け、マスクを着用して行いましょう。
専用のカビ取り剤や塩素系漂白剤など、サッシの材質に合わせたものを使ってカビを退治し、掃除後は消毒用エタノールで菌を死滅させるようにすると、繁殖を抑えられます。
定期的なお掃除と、結露による水分をいち早く取り除くことが大切です。
建物が傷む
結露によって濡れることで、木質の建材は腐ってしまいますし、鉄製のものはサビが発生します。内装クロスなどにもシミができます。
湿気が多い環境はシロアリも好むところですので、シロアリが住み着いて被害が発生する場合もあります。
結露で建物が傷んだら
傷んでしまった建材はリフォームによって交換することができます。新品になるわけですからきれいにはなりますが、結露という原因が解消していなければまた数年で同じ状態になってしまうでしょう。
リフォームをするのなら、傷んだ部分を交換するのと同時に、結露をしないような対策も盛り込んだプランを立てるのが賢明です。
生活の中で結露を防ぐ方法
結露は、工夫次第である程度防ぐことができるので、まずは結露ができる仕組みを知って有効な対策を取りましょう。
結露するしくみ
暖かい空気ほど、多くの水分を水蒸気として含むことができます。逆に冷たい空気は水蒸気として保持できる水分量が少ないです。
(例:25℃の空気の飽和水蒸気量23g/㎥、5℃の空気の飽和水蒸気量6.8g/㎥)
家の中は暖かいので空気中の水分は水蒸気として漂っていますが、外気に接している窓は冷たいので、部屋の空気がここに触れると結露します。氷を入れたグラスを想像するとわかりやすいかと思います。つまり結露が発生するポイントは「湿度と温度差」です。
湿度を把握して適切に保つ
室内の適切な温湿度は室温20~23℃、湿度40~60%程度です。まずは小さなものでも良いので温湿度計を買って、室内の温湿度を観察してみることをおすすめします。
温度湿度が目に見えれば、こまめな換気とエアコンのドライ機能や除湿器を活用して温湿度を適切に保ちやすいでしょう。
暖房方法を変える
ガスファンヒーターや石油ストーブなどの燃料を燃やして熱を発する暖房は、大量の水蒸気を発生させます。結露を避けたい場合、気密性の高い住まいではそれらの燃焼系の暖房は避けたほうが良いです。
エアコンやオイルヒーターは電気なので水蒸気の発生はありません。足元が暖まるホットカーペットの利用もおすすめです。
空気の通り道を作る
暖かい空気は上に行き、冷たい空気は下に行きます。家の中に温度の偏りがあると、温度の低い部分で結露が発生しやすいです。サーキュレーターや扇風機を使って部屋の空気を循環させましょう。
壁に接している家具の裏面に結露やカビは発生していませんか?湿気がこもると結露するので、空気が通るように壁と家具は離して設置しましょう。
室内干しをやめる
室内で暖房を使っていると、ついでに洗濯物も…つい干したくなりますよね。しかし当然結露のもとになります。室内干しを避ける方が良いです。
冬場の洗濯物は、乾燥機を使用するか浴室やサンルームなど換気の良い場所がおすすめです。
「加湿」ならぬ「過湿」?!石油ストーブの上にやかん
「窓の結露がすごいので何とかしてほしい」とのご要望でお客様のお宅をおうかがいすると、石油ストーブの上で常にやかんで湯沸かしされていることが少なくありません。
石油ストーブをつけないと寒くて仕方ないとのこと。
新潟の冬は本当に寒いですよね・・・。お気持ちはよくわかりますが、やはり湿度の上がりすぎになってしまいます。
結露が気になる場合は石油ストーブによる湯沸かしはやめて、適度に換気しながら使用することをおすすめします。
結露を防ぐにはリフォームも有効
断熱ができていないと、家の構造まで傷めかねない「壁内結露」も起こります。結露を防ぐためには家の断熱リフォームが有効です。
窓の交換や内窓の設置などは国からの補助金も支給されるコストパフォーマンスの高い断熱対策です。
適切な結露対策を
寒いから石油ストーブを使用して、乾燥するからヤカンをかける…隙間の多い昔の家だと結露しにくかったかも知れませんが、気密性の高い現代の家でそれをやると非常に結露しやすいのです。
結露の仕組みを知って、生活の中で少しでも結露しないように対策していきましょう。
生活の中での予防と合わせて、建物のリフォームで結露しにくい家にすることができます。断熱対策や結露にお悩みならぜひ一度ゆい工房へご相談ください。