リフォームコラム
どう決める?外壁張替え、外壁塗装
張替えか、塗装か?判断するには、塗装と張替えの違いや特徴について知る必要があります。まずは外壁の基本的な作りを見てみましょう。
どう決める?外壁張替え、外壁塗装
外壁は、外壁材の上に塗料が膜を作って守っています。なので基本的に塗装→外壁材(サイディング等)の順に傷みが進みます。
外壁のつくり
外壁は外側から 塗装(上塗り/トップコート)→塗装(中塗り)→塗装(下塗り/シーラー)→外壁材(サイディングなど)→通気層→防水シート…のように層になっています。
常に風雨や紫外線にさらされている塗装がまずは剥がれてきて、段々と内側へ傷みが進んでいき、塗装の次は外壁材が剥がれたりヒビが入ったりと劣化し始めます。
傷みが内側へ行くほどリフォーム費用が高額になりますので、適切なタイミングで塗装などのメンテナンスをし、良い状態を保つのが理想です。
外壁リフォームの種類と特徴
どれが良い、悪いではなくそれぞれ特徴がありますから、上手に活かして選びましょう。
外壁塗装
既存の塗膜や汚れを高圧洗浄機できれいにした後、外壁の塗り直しとコーキングの打ち増し・打ち直しをします。
- 塗装の耐用年数は10~20年(塗料によって違う)
- 外壁を張り替えるよりは比較的安価
- 色、質感がバラエティ豊富
- 遮熱効果がある塗料なども選べる
- 外壁材の劣化が激しい場合は塗装できない
外壁張替え(剥がし張り)
既存の外壁材を解体撤去し、新しい外壁材を張ります。場合によっては壁内の防水シートや構造部をメンテナンスします。
- 定期的な塗装をした場合、外壁材(サイディング)の耐用年数は30~40年
- 壁内のメンテナンスや断熱材の充填ができる
- 軽い外壁材に替えることで耐震性能を高められる
- 比較的工期と費用がかかる
外壁上張り(カバー工法)
既存の外壁材を剥がさずに、張ったままその上から新しい外壁材を張ります。
- 廃材が出ず、工期も短いので張替えより安価
- 軽量の樹脂や金属サイディングを張るのが一般的
- 壁が二重になり重量が増す
- 壁が二重になるので防音性が高くなる
- 建物が重くなるので、状態によっては施工できない
どう決める?外壁リフォーム
上記の中でどのような工事にするかは、外壁の状態とこれからの計画によって決まります。
外壁の状態 外壁材が傷んでいる
塗装の土台となる外壁材が傷んでいると、いくら塗ってもその部分から剥がれてしまいます。塗装したくてもできない状況ですから、張替えか上張りになります。
また、既存外壁の下地が劣化している、強度がない場合は、その上から張る上張り(カバー工法)は施工できません。
家の状態 強度に不安がある
耐震性に不安がある場合は、上張り(カバー工法)はおすすめできません。壁が重くなることで耐震性が落ちるからです。
家の耐震性を上げたい場合は、既存の外壁を撤去して、軽い金属サイディングなどに張り替えるのがおすすめです。
なお、壁や天井に雨漏れの跡が見つかるなど内部構造に不安がある場合は、張替えを選択してメンテナンスしたほうが良いでしょう。
これからの計画
例えば、増築を伴う大規模リフォームを数年以内に予定している場合は、外壁リフォームもその時にしたほうが手間とお金を節約できます。
ただし、外壁の劣化した部分を放置するとどんどん損傷が進んでしまいますから、最低限の部分補修は行ったほうが良いです。
あと10年も住まないという場合は塗装でも十分と思われます。
状態 | 対応 |
白い粉が手につく、築10年たった | 塗装 塗膜が剥がれてきていますから、塗装が必要です。 外壁は定期的なメンテナンスが必要です。あと10年~20年後の計画も視野に入れて塗料を選びましょう |
クラック(ヒビ)がある サビがでてきた(金属サイディング) | 部分補修+塗装 どの程度の傷みかによりますが、傷んだ部分を補修してから塗装できます。 外壁診断士に見せて傷みの程度を確認しましょう。 |
外壁材が反っている 外壁が剥がれている | 上張り 外壁張替え 傷みが激しく塗装では対処できません。 傷んだ部分だけでも張替えもしくは上張りが必要な時期に来ています。 外壁診断士に見せて傷みの程度を確認しましょう。 |
外壁材に穴があいている サビて腐蝕している(金属サイディング) | 外壁張替え 外壁の劣化が激しく、雨漏りなど壁体内にも影響している可能性があります。 外壁材を剥がして内部構造を確認、メンテナンスしたほうが良さそうです。 まずは外壁診断士によるチェックを受けましょう。 |
状況に合わせたご提案
ゆい工房は修理もこなすリフォーム店(一級建築士事務所)です。だから、外壁だけでなくお客様の大切なお家の全体を見てトータルで提案します。
金額優先、長持ち優先、選び方はいろいろだと思いますが、どれが適しているかは建物やお客様の置かれた状況によって違います。
しっかりヒアリングして、経験に基づきお客様の利益が最大になるようご提案します。ぜひ、たくさんお話をお聞かせください。