外壁張替え
張り替えで外壁をリセット
外壁張替えが必要な状態とは
外壁材の傷みがひどいと、塗料が乗りませんので「上張り」もしくは「張替え」になります。
なかでも張替えが必要となるのは、外壁材に穴が空いて壁内に水が入り、壁内の構造材や防水シートが傷んでしまっているときです。
内部の劣化を放置して上張り(カバー工法)してしまうと、湿気や腐食を壁内に閉じ込めることになるからです。
重度の凍害などによる外壁の傷み

凍害などで外壁に穴が空いてしまうと、雨が降るたびに壁内に水が侵入して内部を傷めます。
雨漏りや内部結露

雨漏りによるシミが見られます。こうなっていると内部も傷んでいる可能性が高いです。

雨漏りあとが見られる軒天の下の方の外壁材を剥いでみると、内部がこのように腐っています。
木部の腐朽やカビが進行している場合、外側から上張りをしても内部の腐食は止まらず、建物の強度低下につながります。
腐った木を好むシロアリも呼びやすいです。
建物の寿命のためには、腐った部分を取替えて新しい外壁材に張り替えるのがおすすめです。
外壁塗装できないなら
上張り(カバー工法)すればいい?
上張りは現在の外壁の上に下地を作って固定するため、下地としての強度がないと上張りできません。塗装が不可能なほど表面が劣化していても、内部の木材、防水シート、構造躯体が健全であることが上張りの条件です。
また、既存の外壁が重い素材だったり、築古で構造躯体の強度に不安がある場合、上張りをすると耐震性が低下するリスクがあるので、やはり上張りはおすすめできません。
外壁診断では「表面がダメだから上張り」と安易に判断せず、内部の健全性を評価した上で、張替えか上張りかをご提案します。
張替えと上張りの将来比較
外壁張り替えと上張り(カバー工法)は、どちらも外側は新品の外壁になるので、施工後の外観や塗装などのメンテナンスが今後も必要なのは同じです。
大きな違いは外壁材が寿命を迎える「30~年後の選択肢」と「建物の重量(耐震性)」、「壁内がそのままになるリスク」も見過ごせません。
| 上張り | 張替え | |
|---|---|---|
| 外観 | 新品 | 新品 |
| メンテナンス ※外壁材による | 10~15年で 塗装やコーキング | 10~15年で 塗装やコーキング |
| 次回コスト | 高額 上張り不可 壁二枚の解体が必要 | 通常 上張りも選択可 |
| 壁内リスク | 見えない | 確認、補修済できる |
| 建物への負荷 | 壁の重量が増し 耐震性に影響 | 軽い外壁に張替で 耐震性向上が可能 |
代表的な外壁材と特徴
外壁材で代表的なのは窯業サイディング、金属サイディングです。この両者は表面をさまざまに加工でき、色もデザインも豊富で人気です。9割くらいのお家はこのどちらかです。
和風のお家で使われているのは「木下見」などの木質系サイディングです。他にも樹脂サイディング、タイル、モルタルなどがありますが、コストや耐久性の問題であまり一般化していません。
窯業サイディング

- デザイン性が高い
- 初期費用が比較的安め
- 重い
- 塗装が劣化すると凍害のリスクがある
金属サイディング

- デザイン性が高い
- 非常に軽量
- 凍害に強い
- なにかぶつかるとへこむ
- もらいサビや傷がつきやすい
木質サイディング

- 経年劣化も風格になる
- 断熱性が高い
- 初期費用が高い
- 防火性が低い
外壁張替えの「ついで」におすすめの工事
外壁張り替えは、足場をかけて家全体の外壁を解体するという大規模な工事です。この機会に外装に関する付帯工事を一緒にやってしまうのが賢い方法です。
窓工事

外窓取替の工事は周囲の外壁カットが必要なため、外壁張替えと同時に行えば無駄な解体費を省けます。
単純な交換にとどまらず、窓の拡張・縮小、新たな窓の新設、不要な窓を塞ぐといった大がかりな変更も、このタイミングなら効率よく実現できます。
断熱性能の高い窓に取替えると家の断熱性が上がり、住心地がよくなり光熱費も節約できます。補助金が出ることもあるので、大変おすすめです。
屋根工事

普段見落としがちな屋根も、材質と傷み具合に合わせてメンテナンスするする必要があります。
特に雨漏りが発生している場合は、雨漏りの原因になりやすい外壁と屋根の接合部分の防水処理を、同時に施工し直せるメリットもあります。
ただ、一度に行うとやはり高額になりますので、ご予算や今後の予定も考慮して一緒に考えましょう。
雨樋・換気扇フードの交換など付帯工事

塩化ビニール製の雨樋や換気扇(ガラリ)フードの寿命は15~20年です。大丈夫に見えても劣化が進んでいるので、足場があるタイミングで塗装や取替などを行うのがおすすめです。
ガラリは耐久性の高い金属製で網がついたもの、防火ダンパーつきなどに取り替えると、美観と安全性が高まります。
電気配線の整理

外壁を剥がしてしまう外壁張り替え工事は、壁面に張り巡らされた電気配線を壁内部に隠蔽、整理できる良い機会です。
また、壁に設置された室外機や給湯器を移動する必要があるので、この機会に移設や取換えを行うと効率的です。
外壁張替えの注意点
なぜ張替えは高額になるのか
外壁張替えでは、新しい外壁材の施工費に加え、解体・処分・下地補修にかかる費用が上乗せされるため、上張りと比べて施工費が高額になります。
シロアリ被害など、「剥がしてみて初めて分かる」追加費用も発生しやすいので、費用と工期には余裕を持って考える必要があります。
外壁材の解体処分費

古い外壁材を剥がす職人の人件費と、産業廃棄物としての処分代が必ず発生します。
昨今は廃棄物の分別が義務付けられているため、手間と人件費により廃棄コストが高騰しています。
壁内補修の大工工事

外壁を剥がして、内部の防水シート、木材の腐朽、シロアリ被害など、一つ一つ職人による手作業で補修します。
中身を無視して「蓋をしてしまう」外壁上張りと違い、それらの作業費・材料費がかかってきます。
アスベストを含む外壁の張替え
2006年(平成18年)8月以前に施工された窯業系サイディングにはアスベストが含まれている可能性が高いため、特別な処理が必要です。
費用・工期が非常に多くかかりますので、アスベスト含有が疑われる外壁は上張りのご提案が多くなりますが、問題の先延ばしであることは否めません。
厳格な法令対応が必要
アスベスト含有建材の解体・運搬・処分には、法令に基づき、行政への事前調査報告と、現場での飛散防止措置(防塵対策、作業員の装備など)が義務付けられています。

廃棄も通常とは異なる
通常の産業廃棄物とは異なる指定処分場への運搬と特別管理が必要なため、アスベストが入っていない場合に比べて解体・処分費が2倍程度に跳ね上がります。
外壁張替えの流れ
外壁張替えの工期は概ね1ヶ月
外壁張り替えの工期は、内部の傷み具合や建物の大きさにも左右されますが、だいたい1~1.5ヶ月です。
工程が多く天候にも左右されるため、それよりもゆとりを持った工事計画を立てますので、ご理解いただけると幸いです。
1,現地調査(外壁診断)
ご訪問して外壁を確認します。
外部ですのでお客様の立会いがなくても確認できますが、今後の計画やメンテナンスの方向性もご共有いただきたいのでできるだけ立ち会いをお願いします。
2,診断報告
診断結果のご報告と、プランのたたき台となる大枠のプラン案をご提案します。
3,プラン・お見積り
お客様と話し合い、付帯工事など、詳細な部分までプランを詰めていきます。
4,契約・打合わせ
内容と金額にご納得いただけましたらご契約となります。
その後、カタログやサンプル、カラーシミュレーションなどを用いて、外壁の色やデザインを決めていきます。
5,近隣ご挨拶・足場架設
工事中は騒音や工事車両の出入りが発生するため、着工までに近隣へご挨拶に伺います。
安全確保と飛散防止のための足場とメッシュシートを設置します。
6,解体・内部補修
古い外壁材を解体・撤去します。
外壁を剥がして露出した柱や木下地の状態を確認し、必要に応じて補修や白アリ対策を行います。
7,下地・新しい外壁の設置
壁内をきれいに補修したら、新しい透湿防水シートを張り、外壁材の施工をしていきます。
内部補修に加え防水シートも新品になるので、見えない部分も安心です。
8,完了検査・足場解体
お客様と仕上がりを確認し、万が一手直しがあれば対応します。
問題がなければ足場を解体・撤去します。
9,お引渡し
周辺の清掃を行って、工事完了・お引き渡しとなります。